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2007.11.11




ぶっちゃげた話ですが ・・・

ついぞ数日前までは、ワタシは全く解ってませんでした。ええもう、この、カブの「自動遠心クラッチ」というヤツに大苦戦しておりました。オークションでボロボロエンジンを落札したのがそもそもの始まり。腰上を直して、エンジンがかかるところまではもっていったのですが、エンジンを掛けると、ミッションの入りが悪い。ていうか、クラッチがうまく切れない。何しろ、マニュアルクラッチはよくわかっていたものの、スクーターやらカブやらの自動遠心クラッチというものが全くわかってなかったのでモウ大変。クラッチ板が悪いのか、自動遠心クラッチがわるいのか、それともギアチェンジの機構が悪いのか。構造が解らなきゃ、直しようもないというもの。そもそも、押してんのか、引っ張ってんのか。最初はクラッチが切れているのか繋がっているのか。それすら解らない始末。

・・・でも、ネットで調べても解らない。「カブ 自動遠心クラッチ 切れない」とか、「仕組み」とか検索してもよく解らない。ワードが悪いんですか(;´Д`)ノ?? そんな状態で、パーツリストやらサービスマニュアルを眺めていても余計ワケ解らなくなるだけで ・・・

で、バラしましたよ。メモとりながら。ひとつひとつ、部品を動かしながら。そしたら ・・・ なんだ、簡単じゃん ・゚・(ノД`)・゚・ウァァァァァン

ドレが悪いとか言いませんが、説明不足は誤解のモトですよ。マヂで。そもそも、スプリングっつったって、3つもあるじゃねぇかっ!!! ・・・おっと、すみません。取り乱しました。 とにかく、自分でバラしてみて、自分がわかるように書いた図面をアップしてみます。なんでって? そりゃもう、文字での解説は皆さんやっておりますし。そして、ワタシは理解できませんでしたしねぇ、もう。そして何より、自分が忘れない為ですが(;´Д`)ノ ・・・ もし、どこかの誰かの役にたてばもう最高です。もし、誰でも知っているような一般常識だったとしたら、理解力のないワタシを笑ってくださいませ〜〜。


序章
理解できないのはワタシのせい?


まずは、想像してください。

目の前に直している最中のカブのエンジンがあります。エンジンはかかります。でも、シフトチェンジしようとすると、「ギョーーーーーッ」って音がして、ペダルが踏み込めません。力ずくでチェンジはできますが、明らかにオカシイ状態です。なにかに擦るような、そんな振動が足には伝わります。

単純に、フリクションプレートが痛んでいるからか? とも思いますが、クラッチが滑っているわけじゃあ無さそう。では、ドコが悪いのか? 手当たり次第部品交換すればいいのでしょうが、そんな金は、全くありません。つまりは、「これを交換する!」という確信が持てたもの以外に買う余力はないわけです。

でも、初めて触れるエンジン。構造は知りません。普通のマニュアルクラッチは幾度もバラしてますが、この自動遠心クラッチはまったくの素人。

そこでアナタは聖書(パーツリスト)を開きます。すると、このようなとっても精密&精巧なら図面が目に入ります。









ワカルカ ッ ツ−−ノ!!!
 ゴルァ! (゜д゜メ)



【カブの自動遠心クラッチ】 「回転が上がると、ウェイトの遠心力でクラッチが繋がります。また、シフトの時には、強制的にクラッチが切れる仕組みです」

とかなんとか、言葉で説明されましても、この図面を見る限りナニがどう動いたらそうなるのか全くもって理解不能ですわ。中でも一番理解不能だったのは ・・・



この「ウェイト」が、どう動いてクラッチを繋ぐってんだっ!!!!

なんかリングに繋がれているし。いっぱいあるし。バラけそうだし。変な形だし。ウェイトつったらアナタ、スクーターのようなローラーじゃないんですか? これ、どうみても回転あがったらバラけるだろうよ・・・。考えるほどにワケがわからない。でも、これが理解できないと、このエンジンは駄目駄目なのですよ。直さないと。現実問題として。そうなのよ。でも、解らないのよ ・・・ 。

そんなこんなで、何度枕を涙で濡らしたことか ・・・

でも、そんな悔しい夜とはおさらばです。事件は現場で起こっている(古)んです。バラしてみるに限ります。・・・あ、もちろんメモは慎重に。戻せなかったら単なる馬鹿ですから(;´Д`)ノ


ステップその1
まずはバラしてみる
役割別に部品を三分割!!!


まず、腐るほど一杯ある部品を、その役目に応じて三つに分けます。  
これが解るだけでも、随分と見方が変わるはずなのでネ(^^;)

とりあえず、エンジンオープンッ!!!




↑ 出たダスな(;´Д`)ノ 最初、コレを見たときはナニがどうなっているのか全然わかりませんでしたわ。

んでもって、バラします。(特殊工具も必要ですが、とりあえずバラし方はここでは端折ります)



↑ この時点で、パーツリストの図面の中で、クラッチそのものの部品以外に余計なモノが多かったのがわかりましたね(笑) 意外と点数すくないぞ。



↑ クラッチプレートと、フリクションプレート。ちなみに、爪が内側にあるものと外側にあるものに分かれているのに注目!! あとで重要な要素になるので覚えて置いてくださいませ(^^)



↑ クラッチスプリングと、クラッチフリースプリング。こちらも、共に重要な働きをいたします。ちなみに、もうひとつ、ダンパースプリングというものもありますが、ややこしくなるので今回は割愛しました(笑)

さて、本題です。

まず、クラッチの役割を考えると、「クランクから伝わってくる動力を、ミッションに伝えたり切ったりする」ってコトになります。つまりは、@クランク直結 A中間 Bミッション直結 の、三種類に分かれるわけです。 して、その起点と終点となるのが、 ココ↓。 



センターに出ているシャフトが、クランクシャフトの端っこです。それにかぶさるように「プライマリードライブギア」が入っていて(これはフリーに回ります。固定されておりません)、それにかみ合うカタチで「プライマリードリブンギア」(デカいの)は入っています。んでもって、このプライマリードリブンギアは、そのままミッションに繋がっているわけです。

雑な手書きで補足するとこんなカンジφ( ゜゜)ノ ↓



とりあえず、@の、クランク直結(クランクといっしょに回る)パーツを考えてみますが ・・・ クランクシャフトにくっつくのは、コレ(↓) 「ドライブプレート」です。



で、で、出たなΣ(゜д゜;) ウェイト!!!! 

でも、とりあえずここでは関係ない話なので、先に進みます(^^;)

とりあえず、クランクに直結しているのはここまでです。ここからは、Aのクラッチ類となります。 そのトップバッターがコレ(↓ 右側) 「クラッチアウター」ですね♪ 



この二つが向かい合わせに被さるわけですが、溝にはまり込むカタチで組むので、一緒に回ってます。固定されていれば、@のクランク群なのでしょうが、一緒に回ってはいるものの、スプリングやらウェイトやら諸々の機構でスライドして、動力を繋いだり切ったりするので、回転はすれどもクラッチの要所となります。



そしてクラッチの主役、フリクションディスククラッチプレートの出番です。これも、4種類のカタチで5枚あってややこしいので、今は役割で二つに分けてみます。

とりあえず画像を見てください。



大別して、A:外に爪がある→クランク寄り B:中に爪がある→ミッション寄り と考えると解りやすいです。 

外に爪があるのはクラッチアウターに入って、内に爪があるのはクラッチセンターに入るわけですね。そんでもって、何らかの力で押さえつけられると、クラッチアウターの回転がクラッチセンターに伝わる ・・・ つまりは、クランクの回転がミッションに繋がる ・・・ ということです(゚∀゚)

そしてラスト。ここからが、Bのミッション類です。

クラッチセンターとドライブギヤーアウターは被さって組み合わせるので、これは回転に関しては直結です。実はここにはまだ謎が残っているのですが、それは後述したしますね(^^;) 



・・・で、

これで、無事、クランクの回転はミッションへと繋がりました ( ^-')v

どうですか? わかりましたか? 聖書(パーツリスト)眺めていても全然解りませんでしたが、実物をバラして、その部品単位でクルクル回してみると非常によく解ります。もし機会があれば、試してみてください。

・・・ とまぁ、動力の伝達経路はおわかりいただけたと思うのですが、問題はそのグレーゾーン。如何にしてクラッチプレートとフリクションディスクを繋げているか、なんですよね。てことで、続いて、その「クラッチの構造」へと参ります!!


ステップ その2
ウェイトの謎に迫る
クラッチの構造を考えてみよう


いきなりですが、根本的なことをご理解ください。普通のマニュアルクラッチとの最大の違いですが ・・・

カブのクラッチは、最初からキレてます。

マニュアルクラッチの、逆です。クラッチスプリングも入ってますが、キレてます。いつも繋がっているってのがアタマに残っていると混乱の元なので、いつも切れているとまずはご理解くださいませ。そこから、始めましょう(^^)

んでもって、次は図解だっ!!

クラッチの断面図を描いてみました。ちょうど、バイクに跨った状態で、エンジンを見下ろしたアングルってトコでしょうか。結構簡略化しちゃっているので、細かいことは気にしないでください(^^;) まずは最初なので、部品名も書いてみました。確認しながら読んでみてくださいませ。



どうでしょう? 解ります? 解らなかったら、もう一度上から読み直して、パーツリストの図と分解写真を眺めてみてください。一度バラしたことある人なら解ると思うのですが ・・・ 下手な図は棚上げして、話を進めます(笑)



まずは、@クラッチが切れている状態
(エンジン停止時・アイドリング時)


まずは、エンジン停止時、およびアイドリング時のクラッチが切れている状態です。



クランク → ドライブプレート → クラッチアウター → クラッチプレートまでは回転しております。ですが、「クラッチフリースプリング」の仕業によってクラッチプレート・フリクションプレートが引き剥がされているので、動力が伝わりません。イメージ的には、有名な「クラッチスプリング」によってプレートが押し付けられそうですが、実はこのときは全然関係なかったりします(笑)



次に、回転を上げたとき ・・・
Aクラッチが繋がった状態!


アクセルを開けて回転が上がると ・・・ 「ウェイト」が仕事を始めます。図面で見る限り、コイツがどんな動きをするのか想像も付かなかったのですが ・・・ ワタシは見た! そいつが、準備運動をしている姿を!! (←ウソ)



・・・ で、その動きをアタマに叩き込んで、クラッチが繋がっている図をご覧くださいませ!!



回転が上がると、ウェイトが回転(重いほうが外へ回る)して、結果としてクラッチプレートAを押し込みます。そしてクラッチプレート及びフリクションプレート同士が押し付けられるわけですが ・・・ 当然ですが、力としては逃げる方向に動いてしまうわけです。すると、クラッチアウターがウエイトの反対方向(図面では左)へ逃げようとするわけですが ・・・ ところがドッコイ。ここでクラッチスプリングの登場となるわけです。

ウェイトが押し込む! クラッチスプリングも負けじと押し返す!! すると、結果としてクラッチプレートとフリクションプレートが滑らずに回転して ・・・ 


バイクが走る ! ( ^-')v

・・・ って、スンポーですな♪



ラストは・・・ Bシフトチェンジ時に、強制的にクラッチを切る状態

ラストを飾るのは、シフトチェンジ時の一時的なクラッチオフの状態です。シフトを換えるわけですが、当然クラッチを切らねばなりません。でも、クラッチはウェイトがプレート類を押し込んでいるのでクラッチは繋がっております。

ならば、どうすればいいのか?? それは、クラッチカムプレートの、お仕事となります。



・・・ まぁ、詳しい説明はまた長くなるのでしませんが、シフトチェンジ操作に連動して、このクラッチカムが動くわけです。実物を見てみないと理解できませんが、まぁ面白い機構を考えたものだと関心しますね(^^;)。ややこしいギアとかでなくて、ボールとスプリングでよく作ったものです。

シフトチェンジを操作した時、このクラッチカムプレートがせり出して来て ・・・

クラッチアウターを押し込みます!!



回転が上がっているので、ウェイトは動いてしまっていますが、クラッチアウターが押し込まれる(左方向へスライド)ので、クラッチスプリングが強制的に縮むことになります。そうするとウェイト⇔クラッチプレート/フリクションプレートの間に隙間が発生するので、再びクラッチフリースプリングの力によって、クラッチプレート⇔フリクションプレートが引き剥がされるわけです。

そして、クラッチ・オフ状態に (゚∀゚)

難なくシフトチェンジをして、シフトペダルから足を離すと再びクラッチが繋がるわけですね〜。

なんとなくご理解いただけたかな?
でも、謎は残る(笑)


分解写真から始まって、「動力の伝達経路」と、「図解 クラッチの仕組み」とやってきましたが、ご理解いただけましたでしょうか?? 実際にホームページとして書いてみてよくわかったのですが ・・・

「回転が上がると、ウェイトの遠心力でクラッチが繋がります。また、シフトの時には、強制的にクラッチが切れる仕組みです」

・・・ って、書いたほうがよっぽど楽(;´Д`)ノ でした。なんで誰も図解しなかったのか。そりゃ、面倒だからですね〜。出来る限りの説明をしてみたつもりですが、果たして伝わるかどうか?? 実際に現物をバラしてもらえればとにかく判りやすいと思うのですが、これからバラす人が少しでも参考になればこれ幸いかと。でも、ネットというのはいざというときに本当に助けられるシロモノですからして。私も何度地獄に仏を見たことか・・・。もし、少しでもお役に立ったようであれば、「役に立ったぞ」とか、逆に「ここがわかりづらい」とかメールしてもらえれば嬉しいです。ハイ。

でも、謎が残っているのですよ。

↓はい、コレ、「クラッチセンター」と、「ドライブギアアウター」ですね。



この二つ、ただ単に被さっているわけじゃなくて、こういう動きをしやがるのですよ。



判りますか??

中身のレールが微妙に傾斜しておりまして。回転させると微妙にせりあがるのですよ (^^;)

クランクからの駆動力と、ミッションからの抵抗力が非均衡な時に何らかの仕事をするとにらんでおるのですが、これがよく解らんのですよ。最初は、加速時に、よりクラッチを押し付けるカタチで働くのかと思いきや、そうでもなさそう。逆に、エンブレが掛かった時に、クラッチを強制的に滑らせるのかとも思っているのですが、これといった確信が持てないのですよね。なんつっても、実際に走っているときには絶対に見れませんから(笑)

うかつなことを書いてアップするのはご法度なので、とりあえず現段階では「謎」としておきます。この機構に詳しい方、是非ともメールください(笑)


【訂正&追加】 後日、この機構についてのメールを頂きました。その方によれば、 「キックのための機構です。キックペダルを踏み込むと作動するもので、エンジンを始動するために使います」とのこと。これについて、また詳細を解明すればいいのですが、現時点では詳しい仕組みをまだ理解しておりませんので、とりあえず「謎」のままにします(笑) 教えていただき、ありがとうございました!!


おまけ
トラブル解決実録


オマケとして、実体験に基づくトラブル解消を書いておきましょ(゚∀゚)。

●今回、クラッチをバラす原因となった、シフトペダルを踏んだとき(クラッチを切ったとき)の、「ギョ−−−−−−−−ッ」な音について。



その原因のひとつはコレ、ベアリングでした。

クラッチアウターカバーにハマッているベアリングで、純正の部品番号は 「96100-60000-00 ラジアルボールベアリング」または、ベアリング屋に直接行って、「6000番のベアリング シール無し頂戴!」と言えばOK。\300もしないシロモノですが('07/12現在)、これが重要です。

クラッチを切るときにクラッチアウターを押し込むと書きましたが、高速回転をするクラッチアウターと、停まっているクラッチカムとの間にいるのがこのベアリングです。結構重労働です。痛みます。痛めば、そりゃ音くらいしますわな。手で回してみて、ほんのちょっとでも抵抗を感じたら、即交換です(笑)  クラッチそのものをバラさなくても交換できるので、距離を乗っているなら、交換しておいたら安心かもしれませんね。






長文、お付き合いいただきありがとうございました!!





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