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昼休みノンフィクション劇場

2003.3.14
「大丈夫だろう」が命取り・・・

確かに、前日から調子はおかしかったのだ・・・。

新しい家からの通勤もまだ新鮮味が残る頃、通勤距離が伸びたこともあってかTZR250を引っ張り出す機会が多くなった。しかしながら、先日の帰り道、なんとなくパーシャル域(アクセルを閉じるでもなく開けるでもない開度の領域)のエンジンの回転がなめらかではなかった気がした。

まぁ、タンクの錆のトラブルやいろいろあっただけに、またかるいキャブレターの詰まりが起きてもおかしくはない。そんならば、多少調子は悪いだろうけども、どこが調子悪いかを確認するついでにもう一日、TZRを出すか〜。なぁんて軽く考えていたのが間違いだった・・・。

家を出た直後、明らかに前日とは違う感じが股の下から伝わってくる。この感じは ・・・ 以前なんども経験したものだ。キャブレターだけじゃない。点火系か、それとも燃料系か?? なんにせよ、「ちょっと調子わるくてぇ」なんてほざいていられるような状態ではないのは間違いない。チョークを引いて、なおかつ半クラッチで無理矢理回転を上げなければ発進もできない状態になる前触れ。

バイクを替えるか? チラと見た時計は8時8分を指している。 ・・・今戻ればギリギリ間に合うかもしれない。いや、面倒だし、このまま走れるのでは? 気のせいかもしれないし! いやいや、あとで後悔するくらいなら遅刻したほうが ・・・ いやいやいや、遅刻はまずいぞ、遅刻はぁッ!!

そんなことを考えているうちに、戻れる場所を過ぎて、もう会社に行かねばならなくなった。まぁ、ダイジョブだんべよ。・・・なんて考えた直後にソレがやってきた。

沈黙の左シリンダー

左シリンダーが沈黙した。

聞こえる音は、250cc並列ニ気筒の音ぢゃない。間違いなく、125cc単気筒だっ! でもパワーは50ccよりも細く、この250の車体を走らせるのは、スクーターで4人乗りしているようなものだっ!! す、す、す、進まない。エンストしそうだ。


なんとか走行しつつも、左手でなんとか経験に基づいた対処を試みる。燃料コックを回す ・・・ 燃料じゃない。チョークを引いてみる ・・・ キャブの詰まりじゃない。 ならば何だ? タンクの燃料出口そのものが詰まったか、プラグがかぶったか、イグニッションコイル付近の電装系トラブルか!?

悲しいかなこういったトラブルは慣れっこになってたこともあり、頭のなかはパニックにはならなかった。ただ唯一いつもと状況が違う点は、遅刻しそうなことだけだ。 ええい、こうなったらクラッチに負担が掛かっても構わんっ! まずは会社に辿り着くことが先決だ! といわんばかりに、周りの迷惑かえりみず、ボヘボヘ言わしながら、なんとか会社の門には辿り着いた。

はい、ここで右シリンダーも沈黙。

寒い朝だっつーのに、チョーク引きっぱなしで半クラで無理矢理走らされたのだから当たり前といえば当たり前、だな。お疲れ様です。「おはようございまぁ〜す」と、社長に挨拶しつつ、バイクを押して中へ。あ、サイトウさんとエノキさんが笑っている・・・。

 
昼休みの復旧作戦始動

午前の仕事、終了。

安心して飯を食べるには、とりあえずトラブルの原因のアタリくらいはつけておきたいでしょ、やっぱり。てことで、幾つかの工具を持ってTZRのトコロへ。バイクをいじるには乏しい工具ながら、無ければどうしようもない。これでなんとかなればいいけども。


まず、燃料が来ているかどうか。ガソリンホースを外して、コックを開けてみると豪快に燃料が流れてくる。とくに錆が流れ出てきている様子もない・・・。次に、キャブレターのドレーンボルトを外して、中のガソリンを抜いてみる。しっかり燃料は行っているみたいだし、汚れが流れ込んだ様子もなし。

やっぱり、キャブレターの詰まりかなぁ・・・。となれば、ここの工具ではバラすのは無理だし、第一時間もない。でもフに落ちないのが、アクセルの開け方に関係なくエンジンが回らないという事実。難しい話しは割愛するとして、キャブレターの幾つかの通路が全部詰まるのは考えづらいから、キャブが原因じゃないかもしれない。しからば、何故??

とりあえず、プラグでも見てみるかとスパークプラグを外している段階で、「点火系か!?」と閃く。ついでに、以前やったトラブルを思い出した。外したプラグを試しにスパークさせてみると ・・・ 本来のスパーク場所以外で、チラチラと弱すぎるプチ・スパークを起こしていた ・・・ これだっ!! つまり、スパークプラグの奥っちょに燃えかすが溜まると、余計なところで導通がおきてしまい、スパークが分散して弱体化してしまう現象。なんつっても奥の汚れが原因であるため、普段の掃除では見落としがちなポインツなんだそうな。

あ〜あ〜あ〜、全てが繋がったぞぉ。

今までの家では会社との距離が近かった分、エンジンが充分に暖まるまでに着いてしまっていた。だから、エンジンをぶん回すこともできずに、次第に燃えカスが溜まってしまっていた ・・・ と。どうも、ガソリンタンクの錆によるキャブのつまりトラブルに翻弄されて、こんな基本的な部分を見落としていたのネ。灯台モト暗しとはまさに!

でも、今までプラグがくすぶるなんてこと無かっただけにビックリ。ブン回すのが好きな自分も、距離には叶わなかったって事かぁ〜!! さしずめ、TZR250の欲求不満ってとこですか?? ・・・って、笑っている場合じゃないか。

考えてみれば今日って・・・
意地でも帰らねばならぬ!

原因はハッキリしたものの、実は打つ手がない!

プラグの電極の奥まったとこの掃除には、今は道具が無さ過ぎる・・・。前回はというと、それ用にと加工された特殊工具で掃除したのだ。今からそれを作るには時間が無い。そもそも、今日の昼飯はカレーうどん ・・・ 伸びきってしまう!! そりゃ大変だ。

しかも、よくよく考えてみれば、今日は一人息子の満一歳の誕生日じゃないか!? や、やばくないんでない?? ちょっと焦ってきた。カミさんはケーキやら料理やらで忙殺されているはず。そこに「迎えに来て」コールはできないぞ。あああ、こりゃなんとかせんと。カレーうどんどころじゃなくなってきたかな。

とにかく、プラグの電極の奥を綺麗にせねば。・・・ ワイヤーブラシや棒で届かないならば ・・・ 変形自在なもの ・・・ 液体 ・・・ そうだ!

目に入ってきたのは、ステンレスの溶接焼け色を落とすための 「酸」。そんじょそこいらの酸とは訳が違う。ジーンズをものの数十秒で真っ白のボロボロにしてしまうツワモノだ。鉄なんか溶かしてしまう酸性度とくる。 うん、これなら一瞬で綺麗にしてくれそうじゃん???

そそくさと酸の液体を入れ物にとり、プラグを放り込んでみる。ほら、みるみる泡がたって ・・・ アリ? 泡立つどころか、全く変化なし。むぅ、ちょっと弱ってきた酸だから、効果も薄いのか・・・。とりあえず、急には反応しそうもないってんで、とりあえず飯を食べることにした。ものの10分、これでなんとかなりそうだ!

スパークプラグ・メルトダウン
事態は絶望へ

無事カレーうどんを平らげて、綺麗になったプラグと御対面!

おお、酸に浸かってない部分は酸化して錆びてるけど、浸かっている部分は不自然なまでの「白」! もちろん、電極部分も真っ白! おお、美しい〜!! 

・・・って、何かおかしくないか?

なんか、ひとまわり細くなってないか?

改めてみると、ドライアイスが浸かっているみたいに泡だってないか!?

ゴボゴボと泡立つ酸のなかに入っているスパークプラグは、ものの見事に30%ほどの減量に成功!! ネジ部に居たっては、汚れどころかねじ山そのものが無くなりかけて・・・ って、おい!


恐るべき酸の力。時間にして10分。スパークプラグはネジ山すら残らず、ひょろっと細長い物体になっちまいました。でも電極は強化された金属だったらしく、酸にも負けず生き残っておりました。 ・・・ ちなみに、試しにスパークさせてみると、ものの見事に美しいスパークを見せてくれました ・・・ ぐっすん。

恥も外聞もなし
こんなことで負けはしない

さ〜〜〜・・・ て、と。

ねじ山を失ったプラグはもちろんはめ込むこともできない。てことは、片肺走行も完全不可能。・・・さぁどうしようか。いつもの昼寝の眠気もどこかに吹き飛び、頭の中には誕生日どころではなくなった今夜の姿が浮かんできた。

・・・いや、なんとかなるはず。丹後半島でホイールのベアリングが吹っ飛んで30分間呆然とウミネコの声を聞いたあの時や、富良野のガソリンスタンドで、使い物にならなくなったクラッチを目の当たりにしたあの時よりはましじゃないか!(なんのことやら・・・)

・・・ 近くに、バイク屋があったな。時間、12時35分。あと、25分ある。・・・よし!!! 

作業着のまま会社を抜け出して、500メートル弱を全力疾走。近所のバイク屋を目指した。まだ入ったことの無い小さなバイク屋に飛びこんで、息をはずませつつ開口一番、「Bタイプのプラグ、なんでもいいんでください。お金は、ほとんどありませんが。 中古でもゴミでも構いません!」


あああ、恥も外聞もなし。息子のためならエンヤコラ〜。でもちょっと、こういう気分、久しぶりかも〜。

戸惑う店員から、輝く汚いプラグを両手で受け取り、再び会社に全力疾走した・・・。

本日の教訓

TZRは息を吹き返した・・・。帰り道は大通りを選んで、これでもかとブン回して走ってみた。するとどうだ。エンジンの温度が上がって、中が焼けてくるにつれてまぁ元気になることなること。家に着く頃には本来のパワーに戻って、試しに見てみたプラグは、これまた綺麗なキツネ色になっておりました、とさ。

で、本日の教訓。

スパークプラグは、スペアを持参すべし。

そうっすよね〜、考えてみれば、ちょいと昔の2スト乗りは、当たり前のようにプラグを持ってたんすよね〜。いい勉強になりましたです、ハイ。何だかんだいっても、こいつも86年のバイクでございますし。気をつけようっと・・・。

最後に、バイク屋の御兄さん、ありがとうございました!! この場を借りて感謝いたします。




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