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2004.6
前回の鉄製ラダーレールに引き続き、今度はフロントスタンドでゴザイマス。

NS50Fでサーキットを走り、いずれはレースにも参加しよう! と意気込んだところが全てのはじまり。それなら、タイヤ交換やメンテナンスの為にもフロントスタンドが必要。売っているのを買うのも手だけども、ラダーほどではないにせよそれなりの価格で、ポンと買えるほど小遣いも多いはずもなし。

「そんならば、作ってしまおう!」 と、安易に始めてしまった。・・・とまぁ、ここからはいつも通り。意外なところに強度が必要だったり、逆に強度がいらなかったり。また、例によって強度と柔軟性の兼ね合いもあったりで。試行錯誤が続くのです。

これがフロントスタンドというもの
さて、簡単そうだけど・・・?


通常バイクの三つ又(ハンドル下の首根っこ)の下層部には、ステムシャフトの貫通穴がある。その穴に棒を突っ込んで、そこからパイプを伸ばしてきて、そのパイプをU字型の足で支えれば ・・・ ホラ、前輪部分が浮き上がるというスンポー。 これが、フロントスタンド。これが重量バイクだったり、ホンマモノのレーサーとかになると、もっと重厚で複雑なフロントスタンドになるのだけど、軽量車ならば、軽くてコンパクトなこちらのほうが断然使いやすい。

もちろん、作るのはコッチ。

ノウハウもなければ、ゴツイスタンドを置く場所もないってもんだ。のはは。

さて、問題です。
アナタは、どこが曲がりやすいと思いますか??

シンプルとはいえ、いくつかのシャフト・パイプからなるこのフロントスタンド。いちいち「○○のパイプ」って呼ぶのが面倒なんで、勝手に命名させていただきました(笑)


さて、各部分により大きな負荷がかかる順番は? 予想してみてくださいまし!

ちなみに、テツの当初の予想は以下の通り。
1:アシ
2:メインシャフト
3:連結パイプ
4:支持パイプ
5:サシコミ


そいでわ、そこいらをアタマに入れて、実際に開発実験と参りましょうか。

実際に開発実験
曲がる、曲がる・・・(^^;)

いきなり全部を作るのは手間が掛かる。んで、要はバイクが持ち上がればいいわけで、さしあたり実験用にメインシャフトから先だけを作ってみた。素材は、メインシャフト・支持パイプに太さ18ミリ、肉厚2ミリのパイプ。サシコミには14ミリくらいの同肉厚のパイプをチョイス。14ミリとはいえ、いつもステップステーなどの制作に使っているパイプで、それなりの強度は実証済み。

ちゃちゃっと溶接して、外にあるNS50Fで実験!! ステムシャフトに差し込んで、グイと持ち上げ ・・・ って ・・・

ベキ。


曲がったっっ!! ていうか、折れた?? さしたる力もいらず、バイクが上がるどころか触る程度の力で、「サシコミ」撃沈!!


(↑)即、切り飛ばしてサシコミを入れ替える。

今度は、18ミリ程度の無垢の棒をサシコミに迎え、再度挑戦! ・・・お、今度はステムシャフトの穴径とサシコミが丁度いい具合。うんうん、今度は簡単には曲がらないかな?? よしよし。それじゃ、グイっと ・・・

ぶきょっ。


おおっ!! 今度は、支持パイプとメインシャフトとの溶接部分(半分しか溶接してなかった)が、見事に裂けたっ!!

いろいろなモノを溶接してるからわかるけど、これっくらい溶接してれば、相当な力でないと裂けないはずだけど・・・。だんだんと、不安がアタマをもたげてくるのを感じつつも、溶接を全周溶接にして、再び挑戦。

・・・ えい。

グニ〜・・・


ははははは。今度はメインシャフトが曲がりやがったよ。わはははは、コンチクショウ。

強度再検討
太くするか、もしくは・・・

こうもあっさりメインシャフトが曲がるとは思わなんだ。

18ミリというと細そうだけども、それが肉厚2ミリの鉄パイプともなると強度も結構なもの。これはあり合わせの材料ながら、本チャンで予定している鉄パイプが、19ミリの、2ミリ厚だから、そんなに違いはない。単純に太さを太くすれば強度は上がるけども、こんな様子だと25ミリ以上は必要かな〜 なんて思ってしまう。

けど、25ミリ?? 市販のフロントスタンドはそんなに太くないし、そもそも25ミリの2ミリ厚なんつったら、重さも相当なもの。んで、重くなるということは価格も上昇(T_T) それだけは避けたい・・・。いや、それよりも大切な事が一つ。「強度が足りないから太くする」ってアータ、

そりゃあまりにも芸がない ・・・でしょ?(笑)

そうだ、あのラダーを思い出せ!
剛性よりも柔軟性

そんな時、思い出すのが鉄ラダー作り。そうだ、強度を出そうにも、重量増を許されない状況で、手のテーピングからヒントを得て、柔軟性を上げる補強をしたんだっけか。

それならば、話ははやい。

手短にあった、細い(3ミリ程度)の鉄の棒を、メインシャフトの伸び側に、数カ所の点溶接を掛ける。そして、こんなカンジ(↓)の、実験用メインシャフトが完成!


これで、やれることはやった。再び、バイクのステムシャフトに差し込んで持ち上げると・・・

持ち上がった!!!! さっきまでの不安定感はどこへやら。柔軟性補強されたメインシャフトは、しなりながらも強度は十分で、なんなくNS50Fを持ち上げた。やった〜〜っ!!

そんなこんなで、習作完成
強度は充分! ・・・すぎ??(笑)

実験で得たノウハウを元に、次は習作(試作の前段階)を制作。

そして、いきなりの完成!(↓)


メインで使っている鉄パイプは、当初の予定通り19ミリの、2ミリ厚。これで「アシ」も作ると、なんとなく強度不足のような気がしないでもないですが、それが全く問題なし! だったんスよ(笑) まぁ、詳細は最後に譲るとして。

いろいろ実験した「実験用メインシャフト」ですが、二枚目の写真を再度見てくださいまし。「支持パイプ」が微妙〜〜に曲がっているのが見てとれるでしょうか?? そうです。そこが、微妙に強度不足だったようで(^^;)。そんなわけで、習作ではこんなんになりました。

ベベン!(↓)


ゴッツイ角パイプを、支持パイプに採用! 太い「サシコミ」と、強力に補強されたメインシャフトが支える車重をしっかりと支持するために、オーバーなまでの強度を持たせました。これで、曲がることはあるめぇ(笑)

・・・んで、最大の難関だったメインシャフト。上の写真では、実験用のような棒は見えません。また、鉄ラダーの様なフラットバーも見えません。ぱっと見、補強らしきモノは目に付きません。ソレもそのはず、今回は二重パイプにしてみました。つっても、タダの二重パイプではなく ・・・ とりあえず、見てやってくださいまし。

べべん! プラグ溶接カモン!


(プラグ溶接 = 被さる材料に穴を空け、ベースの材料とを穴を埋めるカタチで溶接する方法)

二重パイプの強度、プラス「柔軟性補強」として、内部パイプを兼用。要は外にあろうが中にあろうが、「メインシャフトの伸び側に部分溶接」という基本が変わらない限り、効果は一緒ってわけですね。

しかも、目立たない(笑)

このメインシャフト、結構な強度、 ・・・出てます(^^)

実際に使ってみる
曲がらないかっ!?

そんなわけで、実際に使用してみなければ、結論はだせないわな、やっぱ。

てことで、使ってみる。乗ってみる!!


注:当たり前ながら、こういった類のスタンドを掛けた状態でニンゲンが乗ってはイケマセン。

(↑) ・・・ と、HPとしての責任を全うした後で、いきなり反する自分。とりあえず自分で作ったフロントスタンド。強度実験しないことには安心して使えやしない。もっとも、壊れたところで、責任を追及する相手もいないのだけども(笑)

実際にバイクを持ち上げて、なおかつその上に自分が乗ってみてわかったのが、「アシ」には剛性はそれほど必要ないという事実!! 確かに、ハンドルを左右に振ってみると(だから、やめろって・・・)、「アシ」もグニグニとしなりはする。・・・けど、しなるだけで、吸収してしまう・・・。パイプそのままで、それなりに柔軟性があるってことなんだな(どう考えても、曲がって不思議じゃないんだけど・・・)。

支持シャフトは言うに及ばず、メインシャフトも問題なし! 体重掛けてフロントフォークを沈ませて見ても、メインシャフトはしなるだけで、あとは曲がった形跡も全くなし。

すばらしいっ!!!!

んで、答え合わせと、今後の課題

まず、最初の「負荷の掛かる順番」問題の答え合わせですね。

1:サシコミ
2:支持パイプ
3:メインシャフト
4:アシ
5:連結パイプ


でした(^^;)。厳密に計ったわけではないですが、大体こんなものでしょう。当初の予想とは随分と違いますが・・・。でもなんにしても、やってみなければ判らなかったことだらけ。良い勉強になりました。ハイ。

そして、今後の課題。

まず、倍近い重量をもつSRX600用のフロントスタンドの制作。そして、そのためにも、もっと汎用性の高い部品選択をせねばなりませんね〜・・・。我が家だけでも4台のバイクがあるわけで、さらにこれから乗るであろうバイクのフロントスタンドも作ろうとなると、完全な専用設計ではなくて、それなりのベースとなるカタチが必要でしょう、やっぱり。

そして、もう一つの目標が 可変式フロントスタンド。

全部の車種に対応できたら、文句ないでしょう・・・。でも、それには高いハードルがあるんですな、これが。強度だけでなく、高さや、フェンダーとの隙間、そして各部品とのクリアランス等々。でもまぁ・・・

それは、おいおいってことで(笑)

まずは、めでたしめでたし。



>>> 続き



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