![]() そのD 薄板は溶接できるのかっ!?
![]() |
100V半自動溶接機.com >> @100V溶接機ってどうなの? | A機種選び | B溶接してみる | Cプロの小技公開 | D薄板溶接に挑戦 | |
リクエストをいただきました♪そういえば、薄物ってやってなかったよねw | ||
そういえば、確かに、溶接機の謳い文句に 「薄板も溶接可能!」 って書いてあったような ・・・ (;´Д`)ノ 薄物の溶接といったら、ちょっとしたものですよ。 溶接機の性能ってモンもありますが ・・・ それ以前に、溶接工としての技術? も問われてますか、こりゃ (;´Д`)ノハァハァ 性能が高くても、使いこなせなきゃ意味ないし、性能がギリギリだとしても、それで何とかなるのかどうなのか、実証するのがこのページの意義というモノ。 できなければ、溶接のプロの名折れ。 辞表を傍らに置いての、不退転の境地だな、ヲイ。 よし、いっちょやったるかっ!! |
いきなり25%昇圧から!強い電圧が基本ですw | |
今回、用意したのは 1.0ミリの鉄板数枚。 本当はね、0.8ミリとかほしかったんだけども、それは職場の端材の事情でして(;´Д`)ノ つうか、0.8ミリとか0.5ミリの半自動溶接なんて ・・・ 200Vのン十万するプロ用溶接機でもシビアですよ? マジで。そこまでいくと、Tig溶接機の出番。そう考えると、1.0ミリってのはちょうどよいかも知れませんな。 で、問題は、どれくらいの強さで溶接するか、だけども ・・・ いきなりだが、25%アップ!! 「 薄板なのに、電圧アップなの!?」 Σ(゜д゜;) ・・・ なぁんて声が聞こえてきそうですが ・・・ まぁ、見ていてくださいませ。鉄板が溶けやすい → 電圧を弱くする ってのは、実は公式として成り立たないのですよ。電圧を落とすのは、むしろ、ステンレスを溶接するとき。それは何故かっちゅうと、素材の電気伝導率の問題の関係なんですよね ・・・ って、今は割愛しましょw 何はともあれ ・・・ とりあえず一枚板で、ちょいちょいと溶接してみて、選んだ溶接条件は、こんなカンジ。
125V 強さ「3」 ワイヤ量 0.5
さぁ、いってみよう! 男は度胸一発 〜 ♪ 息を止めずに肩の力は抜いて はらほれひれはれ さぁ、レッツ溶接、GO!! はいっ! ジュワジュワジュワジュワ ・・・
さぁ、どうだ!?
おおっ! 意外とイケるんでないかい!? ・・・ と、調子こいて居たら、エンドのところで小穴が空いてしまいました(;*´Д`*)ノ ハズカシー だけども、溶接は強いどころから、もちっと上げられそうな気配? そんだば、調子に乗ってきたし、今度はこうだ。
125V 強さ「4」(最大) ワイヤー速度「0.5」
そんだば、ワイヤー抑え目で、強さは最強! 行って見よう!!!! ジュワジュワジュワ ・・・ 溶け込んでますね〜っ!! 師匠に言わせれば、溶接の勝負は、表でなくて、裏をみたら一目瞭然だとか。 ・・・ たしかに。 一見すると、さっきの強さ「3」のほうが安定しているように見えますが、裏を見ると ・・・ 安定して溶けているのは「4」であることがお解かりかと思います。 ただ、一瞬だけ、アーク(火花)が途切れたのがモロバレですよね(;´Д`)ノ あえて、一発物をそのまま掲載する度胸を褒めてください(笑) わははっは。いけたじゃん♪ ・ ・ ・ ・ 昇圧無しの、100Vそのまんま。
100V 強さ 「4」 ワイヤ速度、「0.7」
熱量的に厳しくなるのが予想されるので、ワイヤをほんのちょっと増やしました。電圧は、昇圧無しなので、これがまさに素の状態。ノーマル状態。つまりはこれで溶接ができれば、「薄板溶接ができる」 という証明ができるわけですね ・・・
イザ、尋常に勝負っ!!
ジュワジュワジュワ・・・ な、なんとか行けたぜ、父ちゃん! (;´Д`)ノ 最初のアークが飛びづらい! アークの持続がちょっと難しい! 安定感に欠ける! ・・・とまぁ、いろいろありますが。 おやじくんさん、溶接、出来ましたぜ!! ヽ(・`ω´・) 裏に余り出てないところを見ると、溶け込みは多少悪いようですが、それでも強度は結構なもの。しっかり溶接はされておりました。 |
まとめ ・・・ 母材と溶接強さの関係 そもそも「穴」があく原因とは |
|
そもそも、ナンで穴があくのか? ・・・ てのを、ちょっと考えて見ます。 穴があく(溶け落ちる)原因 ・・・ というと、普通に考えると、「溶接が強すぎるから」 ・・・ と、思いますよね。 でも、実は、原因は違うところにあるんです。 "溶接" の定義と言うのは ・・・ AとB、二つの異なる母材(ぼざい)同士を、溶かして接合すること ・・・ と、なります。つまり、離れて居たものを一つにするわけです。 「二つのモノを一つにする」 ・・・ じつは、ここがミソ。 それぞれの材料がもつ、「熱へのキャパシティー」 ってものがあります。材料が薄いほど、材料が小さいほど、そして、材料が端っこであるほどに、熱のキャパシティーは、低くなります。つまりは、熱がこもる ・・・ 温度が上昇 ・・・ 融点に達すると → メルトダウン(溶解) → 穴があく わけです。 一見矛盾しているようなのですが ・・・ 弱い溶接をすると ・・・ 母材同士がくっつかない(個別のまま)と、溶接の熱がどちらかの材料に集中する → 熱が逃げない → 温度が上昇 → 融点に到達 → 穴があく という、悪循環に陥るのです。 だったら、強い溶接で、母材同士を結合 → 熱が母材両方に伝わる → 熱が逃げる(拡がる) → 温度が一定以上上昇しない → 溶接が安定する → 穴が空かない ・・・ という、スンポーなわけです。 つまり、まとめると ・・・ 母材を溶かすだけの強さ + 熱の拡がりとバランスのとれた溶接スピード が、必須条件となるわけです。 トーチの動かし方が遅ければ、溶け落ちるし、動かし方が早くても、母材が溶け合わないから、やっぱり穴があく or ダマになる ・・・ という、わけです。 いままで、何人もの人に溶接を教えてきましたが ・・・ どうしても、 「穴があくから、溶接を弱くする」 って思いがちなんですよ。でもそれじゃ、合っているようで実は全然違う。 溶けちゃ困るけど、溶けないと溶接にならない、このジレンマ。 「スイッチ押したら、誰でも溶接できる♪」 ってことで、この溶接は 「半自動」なんて言われたりするのですが、誰でもできるようで、実はそう簡単には問屋が卸さないのが ・・・ この、溶接の世界のラビリンス♪♪ 伊達に、右腕一本で飯食ってません。 正しくは、左手でも溶接してますがw ・ ・ ・ ・ 別に誰かに強要されるわけじゃないし、製品のクオリティーを求められているわけじゃない。 時間制限があるわけじゃないし、クライアントが後ろで見ているわけでもない。 気難しい先輩がいるわけじゃないし、うるさい上司がいるわけでもない。 納得いくまで、練習すればいいんです。 家で溶接できるんですから。 とりあえず、この100V溶接機を普通に使うだけでも、1ミリの鉄板が溶接できることがわかりました。 あとは、練習さえすれば ・・・ だれでも、溶接できるようになるんです。 これはもう、紛れもない、事実。 かくいう、この「DIY道楽」の、テツも、最初は先輩にド突かれながら、「このヘタクソ!」と言われながら溶接したもんです。人より遥かに覚えが悪かったんですから ・・・ あなただったら、大丈夫、大丈夫!! さぁ、じゃんじゃん粗大ゴミを製作しよう(゜∀゜)!! |
■□ 参考リンク □■
|
100V半自動溶接機.com >> @100V溶接機ってどうなの? | A機種選び | B溶接してみる | Cプロの小技公開 | D薄板溶接に挑戦 | | |
|
|