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そのD 薄板は溶接できるのかっ!?



「薄板は溶接できるの!?」 そんなリクエストをいただきました。

そういえば、どこまで厚い板を溶接できるかは考えたけども、薄い板はやっておりませんでしたな(;´Д`)ノ 端材の関係で1ミリまでですが、1ミリっちゅうたら充分薄板かな? できるのか? 本当にできるのか!? 出来なかったら、溶接機っちゅうかプロの威信に関わる挑戦 ・・・ ですよね、コレ(;´Д`)ノ
2010.09.10




 
  
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リクエストをいただきました♪そういえば、薄物ってやってなかったよねw


■□ 読者様からのコメント♪ □■


はじめまして。

僕も自動車レストアのために購入したWG3010持っているのですが、挫折しました。

で、ここにたどり着いたのですが、結論は薄板0.8〜1.2mm程度だと弱電圧で勝負するのですが、電流が不安定になりアークが飛ばず、玉ばかりになります。ちょっと強めると穴が開く・・・ やはり昇圧機で安定した電流を作れば家庭用で結構こなせそうですね。ためになったな〜

こんど 薄板溶接リクエストいたしま〜す。
(はじめてで、調子に乗ってすいません)
楽しみにHPみています。がんばってください。
おやじくん 2010-08-28 04:06:31

8 ■Re:はじめまして。

>おやじくんさん

はじめまして♪ 「DIY道楽」の、テツです。

薄板! 面白いトコいきましたね〜(^^) 溶け落ちそうなところ、ギリギリのラインで溶接する快感 ・・・ って、そういうハナシではないですね(;´Д`)ノ

弱い電流って、かえって不安定になっちゃうものなのですよ。かといって強くすると穴があきます。コツとしては ・・・ ワイヤー量は少なめにしてみてください。

それと ・・・ 可能であれば、鉄板の裏に当て板(出来れば銅)をしておくと、熱が分散してくれて、穴が空きにくくなります。また、溶接を断続できにすれば、熱が集中しにくくなるのでやりやすくなります♪ 

薄板溶接 ・・・ 確かに、公開する価値、ありますね! 

DIY道楽/テツ 2010-08-28 04:30:58 >>このコメントに返信

■Re:Re:はじめまして。

早速の返答ありがとうございます。

スズキッドにしろアネストにしろ、歌い文句?

薄板溶接が可能!の言葉につられ?
購入した人が多いと思いますよ。
雑誌等インプレッションでは綺麗に出来ているのはやはり電気の環境がいいせいじゃないだろうか?と考えているのです。
ぜひぜひ、薄板で挑戦してください。

おやじくん 2010-08-28 10:16:44 >>このコメントに返信







そういえば、確かに、溶接機の謳い文句に 「薄板も溶接可能!」 って書いてあったような ・・・ (;´Д`)ノ

薄物の溶接といったら、ちょっとしたものですよ。

溶接機の性能ってモンもありますが ・・・ それ以前に、溶接工としての技術? も問われてますか、こりゃ (;´Д`)ノハァハァ

性能が高くても、使いこなせなきゃ意味ないし、性能がギリギリだとしても、それで何とかなるのかどうなのか、実証するのがこのページの意義というモノ。

できなければ、溶接のプロの名折れ。

辞表を傍らに置いての、不退転の境地だな、ヲイ。



よし、いっちょやったるかっ!!



いきなり25%昇圧から!強い電圧が基本ですw


今回、用意したのは 1.0ミリの鉄板数枚。

本当はね、0.8ミリとかほしかったんだけども、それは職場の端材の事情でして(;´Д`)ノ 

つうか、0.8ミリとか0.5ミリの半自動溶接なんて ・・・ 200Vのン十万するプロ用溶接機でもシビアですよ? マジで。そこまでいくと、Tig溶接機の出番。そう考えると、1.0ミリってのはちょうどよいかも知れませんな。

で、問題は、どれくらいの強さで溶接するか、だけども ・・・

いきなりだが、25%アップ!!



「 薄板なのに、電圧アップなの!?」 Σ(゜д゜;)

・・・ なぁんて声が聞こえてきそうですが ・・・ まぁ、見ていてくださいませ。鉄板が溶けやすい → 電圧を弱くする ってのは、実は公式として成り立たないのですよ。電圧を落とすのは、むしろ、ステンレスを溶接するとき。それは何故かっちゅうと、素材の電気伝導率の問題の関係なんですよね ・・・ って、今は割愛しましょw

何はともあれ ・・・ とりあえず一枚板で、ちょいちょいと溶接してみて、選んだ溶接条件は、こんなカンジ。

125V 強さ「3」 ワイヤ量 0.5


さぁ、いってみよう!



男は度胸一発 〜 ♪ 息を止めずに肩の力は抜いて はらほれひれはれ さぁ、レッツ溶接、GO!!

はいっ! ジュワジュワジュワジュワ ・・・

さぁ、どうだ!?



おおっ! 意外とイケるんでないかい!? ・・・ と、調子こいて居たら、エンドのところで小穴が空いてしまいました(;*´Д`*)ノ ハズカシー

だけども、溶接は強いどころから、もちっと上げられそうな気配?

そんだば、調子に乗ってきたし、今度はこうだ。

125V 強さ「4」(最大) ワイヤー速度「0.5」


そんだば、ワイヤー抑え目で、強さは最強!
  行って見よう!!!!

ジュワジュワジュワ ・・・



溶け込んでますね〜っ!!

師匠に言わせれば、溶接の勝負は、表でなくて、裏をみたら一目瞭然だとか。 ・・・ たしかに。

一見すると、さっきの強さ「3」のほうが安定しているように見えますが、裏を見ると ・・・ 安定して溶けているのは「4」であることがお解かりかと思います。 ただ、一瞬だけ、アーク(火花)が途切れたのがモロバレですよね(;´Д`)ノ あえて、一発物をそのまま掲載する度胸を褒めてください(笑)

わははっは。いけたじゃん♪









そんならば、最後はコレでしょう。

昇圧無しの、100Vそのまんま。

100V 強さ 「4」 ワイヤ速度、「0.7」


熱量的に厳しくなるのが予想されるので、ワイヤをほんのちょっと増やしました。電圧は、昇圧無しなので、これがまさに素の状態。ノーマル状態。つまりはこれで溶接ができれば、「薄板溶接ができる」 という証明ができるわけですね ・・・

イザ、尋常に勝負っ!!

ジュワジュワジュワ・・・



な、なんとか行けたぜ、父ちゃん!
(;´Д`)ノ


最初のアークが飛びづらい! アークの持続がちょっと難しい! 安定感に欠ける! ・・・とまぁ、いろいろありますが。

おやじくんさん、溶接、出来ましたぜ!!
ヽ(・`ω´・)


裏に余り出てないところを見ると、溶け込みは多少悪いようですが、それでも強度は結構なもの。しっかり溶接はされておりました。





まとめ ・・・ 母材と溶接強さの関係
そもそも「穴」があく原因とは


そもそも、ナンで穴があくのか?

・・・ てのを、ちょっと考えて見ます。

穴があく(溶け落ちる)原因 ・・・ というと、普通に考えると、「溶接が強すぎるから」 ・・・ と、思いますよね。

でも、実は、原因は違うところにあるんです。

"溶接" の定義と言うのは ・・・ AとB、二つの異なる母材(ぼざい)同士を、溶かして接合すること ・・・ と、なります。つまり、離れて居たものを一つにするわけです。

「二つのモノを一つにする」 ・・・ じつは、ここがミソ。

それぞれの材料がもつ、「熱へのキャパシティー」 ってものがあります。材料が薄いほど、材料が小さいほど、そして、材料が端っこであるほどに、熱のキャパシティーは、低くなります。つまりは、熱がこもる ・・・ 温度が上昇 ・・・ 融点に達すると → メルトダウン(溶解) → 穴があく わけです。

一見矛盾しているようなのですが ・・・

弱い溶接をすると ・・・ 母材同士がくっつかない(個別のまま)と、溶接の熱がどちらかの材料に集中する → 熱が逃げない → 温度が上昇 → 融点に到達 → 穴があく という、悪循環に陥るのです。

だったら、強い溶接で、母材同士を結合 → 熱が母材両方に伝わる → 熱が逃げる(拡がる) → 温度が一定以上上昇しない → 溶接が安定する → 穴が空かない   ・・・ という、スンポーなわけです。

つまり、まとめると ・・・

母材を溶かすだけの強さ + 熱の拡がりとバランスのとれた溶接スピード

が、必須条件となるわけです。

トーチの動かし方が遅ければ、溶け落ちるし、動かし方が早くても、母材が溶け合わないから、やっぱり穴があく or ダマになる ・・・ という、わけです。

いままで、何人もの人に溶接を教えてきましたが ・・・ どうしても、 「穴があくから、溶接を弱くする」 って思いがちなんですよ。でもそれじゃ、合っているようで実は全然違う。

溶けちゃ困るけど、溶けないと溶接にならない、このジレンマ。

「スイッチ押したら、誰でも溶接できる♪」 ってことで、この溶接は 「半自動」なんて言われたりするのですが、誰でもできるようで、実はそう簡単には問屋が卸さないのが ・・・ この、溶接の世界のラビリンス♪♪

伊達に、右腕一本で飯食ってません。 正しくは、左手でも溶接してますがw









てことは ・・・ ですよ。

別に誰かに強要されるわけじゃないし、製品のクオリティーを求められているわけじゃない。

時間制限があるわけじゃないし、クライアントが後ろで見ているわけでもない。

気難しい先輩がいるわけじゃないし、うるさい上司がいるわけでもない。

納得いくまで、練習すればいいんです。

家で溶接できるんですから。


とりあえず、この100V溶接機を普通に使うだけでも、1ミリの鉄板が溶接できることがわかりました。

あとは、練習さえすれば ・・・ だれでも、溶接できるようになるんです。

これはもう、紛れもない、事実。

かくいう、この「DIY道楽」の、テツも、最初は先輩にド突かれながら、「このヘタクソ!」と言われながら溶接したもんです。人より遥かに覚えが悪かったんですから ・・・ あなただったら、大丈夫、大丈夫!!

さぁ、じゃんじゃん粗大ゴミを製作しよう(゜∀゜)!!


★ また、疑問点や要望がありましたら、遠慮なくメールしてくださいな♪♪ 
「DIY道楽」の、テツは、みなさんのDIYを応援したいと思ってます(^^) ★






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